◇2007.11.4 クテクンベツ岳 (995m)

  この山は1,000m前後の山が点在する道東の中標津町、標津山地の一つである。といっても山名は地形図には載
っておらず、地元の人たちがクテクンベツ川の名をとって命名したようである。道東の岳人の間ではこの山名が通っ
ており、いずれ俗称から正式な名称になりそうな気配を感じる。

滝随所に現れ・・頂上からの展望も抜群

  夏道はなく沢を辿って山頂に至るが、登路となるクテクンベツ川はクテクンの滝≠はじめとして大小の滝が数
多く出てきて大変面白い。またクテクンベツ岳からの展望も見事で、沢登りの面白さとともに再訪したい山の一つに挙
げていい。標津山地の山々は標高は低いが一つ一つに特徴を備えた山ばかりである。

  ただ、この川の滝という滝にロープが残置され、滝の登り降りが容易であることから、沢登りの正統派を自認する
向きには物足りなさを感じるだろう。

※滝に掛けられているロープは古いうえ、容易といえども初心者がこの沢に入るのは大変危険である。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コースタイム 06:56→ 07:22→ 08:00→ 08:14→ 09:08→ 10:03
車止め クテクンの滝 570m二股 590m
二股
cot.820m
(ヤブ漕ぎ開始)
クテクンベツ岳頂上
12:36 ←12:08 ←11:43 ←10:45 ←10:30
・登り 3時間07分  ・下り 2時間06分

  入山口は武佐岳(1,006m)登山口と同じ。中標津町北19号道路を進むと、「クテクンの滝」「武佐岳登山口」を示す
大看板が道路頭上に覆いかぶさるように設置されているから、嫌でも目に入る。舗装路が切れ林道を道なりに進行
していくとどん詰まりとなる。入林届けの木箱があり、車止めの広場がある。

  クテクンの滝へはここから歩きとなる。ササを刈り分けたルートを歩き、ロープが掛けられた急斜面を下りてクテ
クンベツ川へ。単調な川原歩きの後、30分ほどで柱状節理の崖地形に出る。前方の崖上方から豪快に流れ落ちる
クテクンの滝が見えてくる。ハング状滝で落差約20m、幅3〜4m。直登は不可能で右岸の小沢を利用して大きく高
巻く。途中からササヤブの高巻きとなるが、結構人が入っているとみえて踏み跡がある。再び別の小沢にぶつかりそ
のまま下ると再びクテクンベツ川に出る。ここから滝が連続してくる。
  すぐ左手からスダレ状の滑滝(落差10m)が現れ、これを横目に本流を進んでいくと6mから8m程度の滝が次々と出
てくる。函状地形の570m二股は左右から流れ込む滝が見事。この川の核心部だろうか。590m二股まで合計10コほ
どの滝が現れる。
  その後は滝らしい滝はなく、水量も減じてくる。標高800mを過ぎてから川を離れ、ササヤブに突入する。頂上稜線
までダイレクトに目指そうというルート。急斜面の深いササをかき分けかき分け登っていくと、直下でハイマツ帯にな
るが距離は短く一汗かくまでもなく頂上の人となる。
  頂上部はハイマツに覆われているが、一段高い岩場に乗ると眺望は見事の一語。遮るもののない展望が広がる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  ※目ぼしい滝にはロープが掛けられ、登下降は至って楽チン。この時期の沢登りは体を濡らしたくないだけに、 
ロープは有難い。スピーディに行動できたのもロープあればこそだが、ロープ頼りでは面白さにかけるだろう。登り
応えのある滝が多い面白い川なのに、なぜこんなにロープが掛けられているのか疑問に思うが、地元ではクテク
ンの滝見学会のようなものを町民対象に行っているようで、安全対策の一つであろうか。水の冷たさも気にならない
真夏時は、残置ロープに頼らずに自力で登ることをオススメする。


  武佐岳から続く山並み。左端がクテクンベツ岳(995m)


落差約20mのクテクンの滝 クテクンの滝の後に出るスダレ状の滑滝 570m二股手前の滝 函状地形の570m二股。左右から滝となって流れ落ちる 570m二股を過ぎて現れる滝。左岸を登る クテクンベツ岳頂上。展望が極めてよい 頂上から望む斜里岳。10月に初冠雪を見たが山肌には雪がない 手前は俣落岳
手前はソーキップヌプリ 武佐岳(右端)からの稜線

HOME    踏み跡    ヤブ山探訪