◇2005.2.25      錐 山 (720.7m)


ピラミダルな山容に魅せられて

  錐山(きりやま)は道東の根北峠の東方に位置、行政区は標津町。根北峠を標津町側に下ると左手に鋭い頂のこの
山が見える。標高は700mを少し上回る程度になのに登高欲をそそるのは、その山容が魅力的に映るのに他ならない。
  昨秋、沢詰めからこの山を目指したが体調が悪く頂上手前の肩近くまで接近しながら断念した。積雪後も何度かト


根北峠付近から遠望する錐山

ライしたが悪天候で敗退、今回は4度目のチャレンジであった。しかし深い雪でつらいラッセルを強いられ、おまけにパ
ートナーのエルが雪庇を踏み抜いて一時姿を見失うなどアクシデントもあった。まあ、なんとかかんとか待望の頂上に
立てたのはうれしい。

<行動時間> ・登り 3時間44分   ・下り 1時間53分

スタート前、斜里岳の真上に煌々と月が輝いていた 439m標高点に着くと、進行方向の遠くに白く輝く錐山が見えた 439m標高点で、このころは周囲の山々もよく見えていたが・・ 標高590m地点で。だんだん錐山が近づいてくる 標高650mコブの手前で。目指す錐山はもう少しだ
待望の錐山の頂上。10人も立てばいっぱいになりそう 斜里岳が後方に見えるはずだが、空は灰色に・・

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エルちん危うし!

 それは突然だった。439m標高点からアップダウンの続く尾根を、頂上目指して進んでいた。590mコブの手前の登りは
40mほどだが両側が深い沢になり、右手は雪庇が大きく張り出していた。雪庇により過ぎないようにと、頭の中で思いながら
ラッセル疲れで注意力は鈍かった。登りに差し掛かって間もなく、エルが雪庇に近づいていくのが視界の端に入った。「戻れ
っ、コイ」・・と叫ぶと同時に、エルの足元がドンと崩れ落ちた。ズーンと身体に響くほどの衝撃だった。恐る恐る崩れた斜面を
のぞくとかなりの量の雪が堆積していた。僕の全身に恐怖と不安が走った。

  エル、エルー・・とコールしても音沙汰がない。「埋まったか」・・・不安がよぎってスコップを取り出し、少し戻って雪庇の
ない部分から斜面に飛び出した。すると雪まみれになったエルが雪庇の張り出した尾根上に再び這い上がろうともがいてい
るのが見えた。体にまともに雪庇が崩れ落ちたら今度は危ない。「エル、こっちだ」・・僕の声に気付いたエルは深い雪を漕い
でこちらに近づいてきた。「無事か、ケガしてないか」・・エルの体を調べてみたがケガはなかったようだ。「無事でよかったな」
・・・僕はエルをしっかり抱きしめてやった。

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