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'04年版〜業務日誌から〜 |
| 1.登山中の事故 | |||||
| 年 度 | 発生件数 | 重 症 | 軽 症 | 救助隊出動 | 救急車出動 |
| 平成17年 | 10 | 1 | 9 | 1 | 1 |
| 平成16年 | 4 | 2 | 2 | 1 | 1 |
| 増 減 | +6 | −1 | +7 | ±0 | ±0 |
| <事 例> |
| ●7月○×日 4人パーティのうち男性1名が沢中で転倒、額を岩に打ちつけ前額部を裂傷。メンバ |
| ーの中の看護師が応急手当の後、上二股から新道経由で自力下山する。その後、斜里国保病院へ。 |
| ●7月○×日 10人パーティのうち高齢者が体調不良を訴え、下山ペースが遅くなる。付き添いの |
| 男性2名が小屋に現れ、旧登山口まで車を入れたいのでゲートを開けて欲しいと申し出る。依頼を受 |
| けゲートを開放する。男性はかなり弱っていたが生命に別状はなし。 |
| ●7月○×日 高齢者(70代男性)が足がつって歩けない・・という通報が寄せられ警察、消防の救 |
| 助隊が入る。男性は歩行は可能でゆっくりペースで下山、途中で救助隊と合流する。 |
| ●7月○×日 ツアー客の1名が転倒時に負傷。またもう1名も足首を捻挫。ガイドの応急処置後 |
| メンバーらと自力で下山する。サブガイが先に下山、ゲートを開け車を入れさせ旧登山口までケガ |
| 人を迎えに行かせる。ケガ人は外科的処置が必要と思われるため病院行きを勧める。 |
| ●7月○×日 6名パーティのうちの1名が沢中で転倒、顔を岩にぶつけ右ホホを裂傷。全員登山 |
| を中止し下山する。小屋内で応急手当を施したが傷がやや深く、病院行きを勧める。 |
| ●8月○×日 沢コースを登山中のご夫婦。ご主人が転倒時に下アゴを岩に強打、歯を折るなど負 |
| 傷。夫婦はその後も登山を続け、下山後小屋に現れる。服は血だらけで病院行きを勧める。 |
| ●8月○×日 地元民宿経営者より「宿泊予定のお客が転倒,肩を強打し骨折したようだ」との連 |
| 絡を受ける。二人で迎えに入るが下二股手前で当事者と合流する。至って元気で、転倒時は激しい |
| 痛みで骨折と思ったようで、その後痛みが引いたので下山できたという。下山後、念のため病院に |
| 行ったが単なる打撲と判明。 |
| ●9月○×日 8人パーティのうちの1名が肉離れ、自力歩行が可能であるためパーティ全員でサ |
| ポートしながら無事下山する。 |
| ●9月○×日 道外客の夫婦連れのうち妻が下山中に躓いて前のめりに転倒、手でかばった際に左 |
| 手首を骨折する。ご主人が患部に添木を当て、手ぬぐいで腕を吊りながら下山する。小屋内で三角 |
| 巾に替え救急車を手配する。 |
| ●10月○×日 8人パーティの一人が沢を渡渉中、不注意のため張り出していた木の枝に額をぶ |
| つけ負傷、その場で仲間の応急手当を受けた後、当事者のみ登山を中止して下山。その後自分で斜 |
| 里国保に急行、額を数針縫う処置がなされた。 |
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| 2.下山遅れ |
| 年 度 | 発生件数 | 関係機関への連絡 | 管理人出動回数 |
| 平成17年 | 6 | 2 | 3 |
| 平成16年 | 6 | 6 | 6 |
| 増 減 | ±0 | −4 | −3 |
| <事 例> |
| ●8月○×日 徒歩でバス停から歩いてきた男性が正午過ぎに登山を始め、下山が遅れる。夜、警察に |
| 連絡しパトカーが臨場中、真っ暗な中を林道を歩いている男性1名を発見、事情を聞いたところ当事者と判明する。 |
| 夜8時過ぎに下山したが、下山届けをせずにそのまま道路を歩いていたという。 |
| ●8月○×日 孫2人を連れた男性らの下山が遅れる。夜8時頃、迎えに入る。沢に入ってすぐに |
| 当事者らと合流する。ゆっくりし過ぎて下山が遅れた。ヘッドランプなし。 |
| ●8月○×日 父親と子供2人の下山が遅れる。妻は小屋で待機。すでに暗くなっており、午後7時 |
| 過ぎに旧登山口まで向かう。その後すぐに親子が現れ、事なきを得る。ヘッドランプなし。 |
| ●9月○×日 正午前にスタートした男女が下山せず、すでに暗闇状態のため警察に連絡する。夜8時 |
| 30分頃、小屋前に姿を見せ事情を聴いたところ、馬の背を下っているとヤブの中から熊のような唸 |
| り声を聞き、1時間ほど動けなかったという。ヘッドランプを携行していたが下山が遅れた。 |
| ●9月○×日 10時前にスタートした女性4人パーティの下山が遅れる。夜、当事者の女性から「暗 |
| くて下りられない」、と携帯に連絡が入る。その場を動かないように指示し迎えに入る。下二股付 |
| 近で4人と合流、ヘッドランプを貸し与え夜9時頃下山する。事情を聴くと、「下山のため熊見峠に |
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向かっていたが、この道でいいのか不安になった」とまた上二股まで戻り、沢を下ったという。そ |
| の後暗くなり下りられなくなった。4人にケガなし。ヘッドランプは1個のみ。 |
| ●9月○×日 親子4人(夫婦、いずれも小学低学年女児)の下山が遅れ、既に暗くなったため迎え |
| に入る。旧登山口まで車で走行中、道路を歩いている親子を見つける。ヘッドランプはなかったが |
| 薄暗いうちに沢を抜け出たのが幸いした。軽装のうえランプなし、スタートも遅く、両親は大いに |
| 反省する。子供2人は至って元気だった。 |
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| 3.熊の出没状況 今シーズン 合計 8件 |
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●7月 熊見峠付近で2件の目撃情報 |
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●8月 馬の背付近で2件、熊見峠付近で2件の目撃情報 |
| ●9月 2件の情報。馬の背下部(胸突き八丁付近)のヤブと南斜里岳方向の斜面で動くヒグマを目撃。 |
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4.登山道の整備 |
| ●6月24日 沢を埋めている残雪を落とす作業をY氏と行う。 |
| ●8月17日 ネイチャーガイド協会のT氏・O氏が下二股〜熊見峠間でササ刈り作業を行う。 |
| ●9月17日 T氏、熊見峠付近でササ刈り作業を行う。 |
| ●9月23日 管理人、鎖が切れそうという情報をもとに調査。現場は7合目「万丈の滝」の鎖場。 |
| 調べた結果、鎖への圧力が強く加わる上部の連結部がわずか1.5〜2mm程度でつながっており、非常 |
| に危険と判断されるため、全面撤去した。登りは手がかり足がかりがあるためさほど危険はないが |
| 下りは危ない。鎖を新たに設置するか、岩場を削って足場を作るかの処置が必要と思われる。 |
| ●9月28日 T氏・Y氏・他1の計3名で熊見峠付近のササ刈りを実施。 |
| ●9月29日 管理人、7合目「万丈の滝」、さらに上部の2カ所の岩場を登りやすいように削る作 |
| 業を行う。登る場合は問題なし。 |
| ●その他 清岳荘から道路をつなぐ林の中の連絡路はササ根が飛び出していたり、斜面に作った |
| コースが斜めになっていて歩きづらく、このためスコップで斜面を崩して平らにし、ササの根も刈 |
| り払い機で切り取り、歩きやすくする。 |
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| ※今シーズンを振り返って※ |
| ●新「清岳荘」 |
| 新しい「清岳荘」での営業開始という新たなスタートの年となった今季を振り返ってみる。 |
| その新「清岳荘」の評判であるが、「すごい」「これが山小屋ですか?」「別荘みたいですね」 |
| 「よくこのような建物を造りましたね」「1,500円で泊まっていいのですか」「帝国ホテルも負け |
| ますね」・・利用者のほとんどが口々に新しい山小屋を賞賛する。 |
| 6月から10月にかけここで生活した管理人としても、真夏の暑い日は小屋の中は至って涼しく、 |
| また寒い日もさほど室温は下がらない。昨年までのプレハブ生活に比べると雲泥の差である。ま |
| さに快適な生活ができた。 しかし、「こんなところを改善すればなおのこといい」、と指摘す |
| る利用者もいる。 |
| 一つは炊事場である。宿泊客の炊事は原則屋外の東屋またはテラスを使用するとなっている。天 |
| 気の良い日は屋外の方が快適であるが、その都度食材や食器、コンロ等を持ち出して屋外へ行く |
| のは面倒でもあり、小屋内に客専用の炊事場があればと思った。現在ある台所は管理人も使用す |
| るが、お客が使う時は管理人の使う時間がなくなかなか面倒。混んでいる時はなおさらのことで |
| ある。そのため、事務室内で行うことが多くなる。こう考えると台所を客専用とし、事務室内に |
| 小さな台所でもあればと思ったものである。 |
| もう一つは二階の学習室である。壁とドアで間仕切られているため下からの暖かい空気が入ら |
| ず、非常に寒いことである。交流室と同じようには吹き抜けとなっていれば夜間も快適に過ごす |
| ことができる。一階の研修室はさらに寒い部屋であるが、混んでいる以外はあまり使用すること |
| がないのでこのままでいいだろう。 |
| 水についても利用者には不便を強いられたかも知れない。「飲めない」「煮沸しても炊事には使 |
| わないで」と利用者には伝えている。水を持参していない人もけっこうおり、こちらとしては心 |
| 苦しいものがある。また、使い過ぎると水不足となり、営業当初はこの加減が分からずに使い放 |
| 題としていたが、途中から弁調整など節約に努めた結果、水不足の点は解消できた。 |
| また、トイレの評判もいい。きれいで水洗なのは利用者にとっては快適に用を足すことができる。 |
| トイレ利用については協力金≠いただいているが、当初は戸惑い勝ちで素知らぬ顔で利用する |
| 人も多かった。「お願いします」と声を掛ければ納めていくが、声をかけなければそれっきりの人 |
| もよくいた。しかし、山のトイレ問題はどこの有名な山でも同じ悩みを抱えている。トイレは有 |
| 料≠ニいう流れはもう当たり前であることを利用者に訴えていく必要があるだろう |
| ●管理人2年目 |
| 昨年、縁あって「清岳荘」管理人の仕事に就いた。一年目は管理人としての義務感、責任感など |
| で少々登山客には厳しくあたったこともある。また、まごついた面もあった。二年目の今季は新し |
| い「清岳荘」での営業とあって、楽しみと不安が交錯していたが、公私両面で楽しい山小屋暮らし |
| ができたと思っている。施設が新しくなった分、確かに昨年よりも仕事の量は増えたが好きな山で |
| の仕事であるから大して苦にはならないものだ。 |
| 今季は知床の世界自然遺産登録の影響もあるのだろうか、登山者が昨年比で1千人も多い9千人近 |
| くに上った。これだけの人が訪れるのはうれしい。ただ、これだけの人が来ると中にはマナーに外 |
| れた行為をする者も必ずいるものである。トイレットペーパーを抱え駐車場の隅で用を足す者、ゴ |
| ミ・タバコの投げ捨て、他の客が寝静まっているのに夜遅くにドヤドヤと入り込んでくるグルー |
| プ、当然カミナリを落とすこともあった。こんな輩は御免被りたいものである。 |
| また、今季は登山口が約1キロ遠くなり沢の様子も見られなかった。昨年の経験を生かして雨の |
| 振り方から増水を予想してみたりした。遠くなったせいで下山遅れの登山者の迎えに行くこともで |
| きないだろうと思ったが、下山の遅い人がいると放ってはおけず結局、3回迎えに出た。「真っ暗な |
| 沢の中で管理人さんのヘッドランプの明かりを見たときはうれしかった」・・そんな言葉が返って |
| くると迎えに出てよかったと思うのである。でも、本音は早いスタートと万全な装備を持って山に |
| 入れ、と言いたいのであるが・・・。 |
| いろいろあった2年目の管理人生活であるが、振り返れば登山中の大きな事故もなくシーズンオフとなったのが |
| 幸いである。来季もそうであって欲しいものである。 |